
最近はあまり遊ばなくなりましたが私はアグリコラが好きで何度も遊んでいます。発売当時は何度もリクエストするものだから仲間内から「またアグリコラかよ」と揶揄されるほどでしたが、一点だけどうしても腑に落ちない点があります。それが、スタートプレイヤー(以後「スタP」とします。)から時計回りで手番が決まる仕組みです。
ワーカープレイスでは、数あるアクションの中から最適なものを最初に選べることが非常に重要です。にもかかわらず、スタPを取った人以外は、ただ座り順によって2番手、3番手、4番手が決まってしまいます。
そのため私は独自にアレンジして遊んでいました。スタPのアクションマスには最大3人(5人プレイ時)まで入れるようにし、入った順番に次ラウンドの手番順が決まる方式です。こうすると、「スタPの左隣に座っているから2番手」といったラッキースケベならぬ2番手は発生せず、スタPアクションを打たない限り永久に最後手番となります。

・スタPの強弱が問題なのではない
Uwe Rosenberg 先生は、わざわざ1手番を使って次ラウンドのスタPを獲得することをコストと考えているのでしょう。例えば何かのリソースを取る代わりに手番順を取っている、と。ゲーム後半ともなればラウンドごとに累積するリソースも大量に積み上がっています。それらを捨ててまでスタPを取りに行くのですから、確かに対価は支払っています。
ただ、ゲームをやり込むほど「次ラウンドの重要アクションを確保するためにスタPを取る」価値の大きさを感じます。そして私が気になっているのは、実はスタPの強弱ではありません。
スタPはアクションを使って獲得しています。しかし2番手はどうでしょうか。スタPの左隣に座っているだけで、自動的に2番手になります。3番手も4番手も同様です。
ワーカープレイスメントにおいて手番順が重要なのであれば、本来それはプレイヤーが獲得するものであって、座る位置で決まるものではないはずです。
アグリコラは後年リバイズドエディションが出ると知った時に、「もしかしたらスタP周りについて何か改善されているかも!」と期待しましたが初版と変わりなくとても残念に思いました。15周年記念版でもそのままでした。
だから私は今でも、ワーカープレイスのメカニクスで「スタPから時計回り」という仕組みを見るたびに引っ掛かってしまいます。スタPを獲得するコストは存在するのに、2番手にはコストがありません。私が是正したいのはスタPの強さではなく、この「ラッキー2番手」なのです!
はぁはぁ、ちょっと興奮してしまいました。
とは言えアグリコラは 2007年発売のゲームです。もうワーカープレイスの古典と言っても良いくらいと思いますし、これから手直しを要求するのも酷でしょう。アナログゲームの良いところは卓を囲む皆の合意でいかようにもアレンジができるところなのでこれからも同志を探していきます。
・ちょっと休憩
ここからは他のゲームでは手番順をどのように扱っているのか、ワーカープレイスに限らず挙げてみます。
・大聖堂/The Pillars of the Earth (2006)
まさかの手番順がくじ引き(ランダム)。
・おかしな遺言/Last Will (2011)
早い手番を取るとカードドローも少なくアクション数も少なくなる。後手番を取るとカードを引く枚数も増えるしアクション数も増えるという手番順とボーナスを天秤にかける仕組みがあります。結構好き。

・テラミスティカ/Terra Mystica (2012)
テラミスティカはワーカープレイスではなく多人数アブストラクトの認識です。パス順で次のラウンドのプレイ順が決まるのは理にかなっているのと、パス抜けしたときに選択するタイルの存在もそれ以上に重要な場合がありますよね。自らの選択によって次の順番が決まるため、納得感があります。
同じことをエピック・テラフォーミング・マーズでも試してみたことがあるのですが、こちらはあまりうまく機能しませんでした。もう少し検証が必要そうです。

・ワイナリーの四季/Viticulture (2013)
おかしな遺言フォロワーですね、すなわち次のラウンドの早い手番を取るとおまけが少なく、後ろを選択するほどおまけがいろいろもらえます。好きです。

・ファーストクラス/First Class: All Aboard the Orient Express! (2016)
後手番におまけが付きますね。
・バラージ/Barrage (2019)
ラウンドで一番発電しなかったプレイヤーが次ラウンドのスタPになります。弱者救済の意味合いが前に出ているかな。

・手番順に求めるもの
一方で、すべてのゲームがそこまで手番順を気にする必要があるとも思っていません。
例えばロンデル系ゲームでは手番順による有利不利が比較的小さいので、複雑な補正は不要でしょう。
逆に『大聖堂』のようにリソース獲得のタイミングが重要なワーカープレイスメントで手番順がランダムに決まる仕組みには、私はどうにも落ち着かなさを感じます。
トリックテイキングゲームでリードプレイヤーから順番にプレイすることには特に違和感はありません。こちらはそこまで面倒な調整をしなくても受け入れられます。とはいえ、誰か尋常ではないくらい手番順にこだわった面倒なトリックテイクを作ったという情報を知っていましたらぜひ教えてください。
・「先手だから得」で終わらせない設計
最近はゲーム開始時のリソースや能力の配布にロチェスタードラフトを採用する作品も増えてきました。あれは「先手だから得」「後手だから損」で終わらず、それぞれに異なる価値を持たせています。手番順そのものを配慮した設計として、とても腑に落ちる考え方だと思っています。
そんなわけで、スタートプレイヤーから時計回り問題を何らかの形で解消したワーカープレイスメントを見ると、それだけで私には魅力的に映るのです。
・最初に戻って
そんなわけで私は、スタートプレイヤーの有利不利よりも「ラッキー2番手」の方が気になってしまいます。
手番順を獲得するためにアクションを使わせるゲームを見ると、「こだわってるなぁ」とうれしくなります。
逆に、みなさんはどうでしょう?
「スタートプレイヤーから時計回り」に特に違和感はありませんか?
それとも私が手番順にこだわりすぎなのでしょうか。
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