もう新しいゲームはなるべく買わないように買わないようにしているのに1度遊んで思わず衝動買いしてしまった「メンフィス」のファーストインプレッションです。とけいさんが私の遊んだ感想を聞いて即購入するよということになって、2つ同時に頼めば送料も折半して安く済むのではというお誘いに甘えさせていただきました。
コンポーネントに言語依存は無くアイコンの種類が多いのみ、ルールも英語で pdf ファイルが BGG にアップされているのでグーグル変換で一発で変換できるしなんとかなるでしょう。
「美徳」や「サビカ」を作った Laura Bevon さんの新作で、エジプトの首都であるメンフィスを舞台に当時の生活(?)を通じてより文明を発展させていくというテーマです。「美徳」は元々好きでしたので同じデザイナーさんの最新作と聞いて期待せずにはいられません。一つ前の「サビカ」はまだ遊んだことがないのでその比較はできませんのであしからず。「美徳」のシステムを更に洗練させた感覚がありました。
「美徳」は4ラウンドに渡ってサイコロとカードを使ってアクションを行います。まず自分のボードにカードを置く場所が3つ、置いたカードによる効果が発揮します。次にカードを置いた場所にあるサイコロをメインボードのアクションマスに置いてリソースを獲得したり建物を建てたり魂とトンボのセットを揃えたりするのが3つ、更に川を渡るアクションとしてサイコロを上段のマスに移動させて追加のカードを取ったり漢字のセットコレクションを目指したりするのが3つあり、1ラウンドで最大9アクションできます。4ラウンド×9アクションで合計36アクションでゲームが終わります。
1ラウンドで最大9アクションというのは、メインボードのマスにサイコロを置く際、既に他のサイコロがある場合にはその目の数を上回らないと置けなかったり(上級レベルの縛り)、川を渡るにはサイコロの目を下げなければならないので、必ずしも9アクションが保証されている訳ではないところがこのゲームのキモですね。ゲーム終了時の個人目標にサイコロの目の合計数などがある場合、それを達成するには川を渡るアクションを放棄してそのまま残しておくという選択もあります。
一方「メンフィス」では3ラウンド×9アクションの合計27アクションでゲームが終わりますが BGG のウェイトはほぼ同じで「美徳」と同様重厚なゲームが楽しめます。こちらは「美徳」と違い必ず1ラウンドに9アクションできるのと思ったのですが、やはりこのゲーム独特の縛りがあって、アクションができない場合もあります。
1ラウンドの流れは
・準備フェイズ
・アクションフェイズ
・得点計算フェイズ
の大きく3つに分かれます。これを3回繰り返したらゲームエンド。得点の高いプレイヤーが勝ちです。
以下アクションの概要です。
1つ目は「①ワーカーをメインボードに登場させる」です。タイルに描かれたアイコンのアクションを行いつつ、その下にあるワーカーを特化したいアクションの左側(朝)に置きます。この時、既に先に置かれているワーカーの数によって追加の食糧を支払う必要があり、それが払えない場合はタイルのアクションは行わず残念賞の食糧を3つもらって終わりです。
2つ目は「②ワーカーを左側(朝)から右側(月)の場所へ移動させて、特化アクションを行う」です。これは「美徳」で言うところの「川を渡るアクション」ですね。①で予約した特化アクションを強化しつつ、今強化したところのレベル以下のアクションマスを1つ選んで実行します。①と同じく、既に月の場所に他のワーカーがいる場合は追加の食糧の支払いが必要となり、支払えないとアクションそのものもできず、アクションの強化もできず食料を3つもらうだけで終わりなのでここを残念アクションにするとめっちゃ手痛いです。
3つ目は「①で登場させるときに使ったタイルを補充する」です。ここで補充したタイルは次のラウンドで使用するアクションとなるのでどんなタイルを取ってくるのかの選択が悩ましいです。ラウンドの始めにはタイルの空きマスがないのでこのアクションはできません。タイルを取ってくる場所により追加コストがかかったり逆に食料がもらえる場所もあります。またタイルが置かれている場所より下のアクションを1つ行うことができます。こちらは追加で食料を支払えなければそもそもその場所のタイルを選ぶことはできないのでペナルティなどは発生しません。また持ってきたタイルの左上に描かれているアイコンと自分のボードの象形文字が一致するとミニボーナスがもらえます。
以上を踏まえた上で、メインボードにある特化アクションの詳細に入ります。
①ピラミッドを建てるための石灰石を運ぶ
②ネクロポリスへ棺を納棺する
③神殿に捧げものを献上する
④ナイル川のボートを進める
⑤スフィンクスを置く
です。
それぞれのアクションを行うためにはその準備を先にしておかなければならないものもあります。
①ピラミッドは大ピラミッドと女王のピラミッドの大きく2種類あり、女王のピラミッドを建てるためには事前に建築権利を得ておかなければなりません。大ピラミッドの方は事前準備が不要で、トラックをどんどん進めていくことでラウンド毎の勝利点や建築アクションを行ってファラオの恩恵をもらうことができます。
②ネクロポリスへ棺を納棺するには事前にミイラをきちんと処理して棺に入れる作業を行わないといけません。またミイラは各プレイヤー4体しかないので4体を棺に入れて納棺したらこのアクションは打ち止めとなります。納棺した時に1度だけ発動するボーナスと納棺アクションのレベルに応じてミニボーナスの獲得、ラウンド毎の得点ももらえます。レベルが低くても1ラウンド目に納棺すれば3回得点がもらえるので高レベルに上げるのを待って得点化するかは悩ましいポイントです。
③捧げものは事前に手元に持ってくる必要があり、その後で巫女さんに神殿へ持っていってもらって献上するアクションをします。献上アクションのレベルによってもらえる恩恵が増えたりオベリスクポイントを重ねることによりラウンド毎の勝利点やリソースの生産が増えます。
④ナイル川のアクションは主に魚(食料)の獲得と川沿いの都市で個別目標を獲得するのが主な目的です。このゲームにおけるリソースは2種類ありまして、1つは魚、1つはヘカ(魔力)です。単純に魚はヒットポイント、ヘカはマジックポイントという覚え方で良いと思います。どちらも10を越えてストックすることはできません。
⑤スフィンクスのアクションはボード全体にちらばっているアクションを選んで行うことができ、どこも早い者勝ちアクションでオールマイティ的な位置づけです。スフィンクスを置くアクションの前にスフィンクスを彫るアクションを事前に行い、スフィンクスを用意しておく必要があります。スフィンクスのコマは各プレイヤー4つまでなのでこちらも4つ配置してしまうと打ち止めとなります。
まだまだここに書いていない要素もいくつかあるのですがここまでとします。
以下おまけで開封の儀のようなもの。
箱裏
ルールブック。ソロモードもあります。
個人ボード。特に個別能力はなくてミニボーナスの象形文字の並びが異なるくらいです。また捧げものを事前に用意しておく場所がボードの右側にあります。
タイル類の数々。左上からアクションタイル、パピルス、ピラミッドのコマを置くボード、左下は個別目標タイルとソロ用のタイルかな? 右下は捧げものの宝飾品。
左側の神様は巫女さんが捧げものを置く館の奥に配置され、オベリスクのフラグを切る度にもらえる恩恵が示されています。