今日は劇団「柿食う客」のメーリングリストで届いた先行チケットの案内がきっかけで赤坂まで観劇してきました。ついこの間劇団本公演を観に行こうと心の準備をしているところに唐突に届いたのでいったんはスルーしようかと思いましたが主演3人の脇を柿食う客の劇団員が全面的にサポートするということもあってチケットを申し込みました。直前すぎたので長女は予定がつかず一人での観劇です。
タイトルはお芝居好きであれば誰もが心ときめいてしまう寺山修司さんの23歳のときに書いた戯曲とのことです。寺山作品は映像では何か見た記憶があるのですがお芝居は初めてなのでとてもわくわくします。
今日はあいにくの雨模様、天気が良ければあたりを散歩しようと思いましたがかなわず、テント周辺を歩くとテントの中から演者さんたちのアップする声が聞こえてきました。普段スズナリやトラムなど建物の中とはまた違った感じがよいですね。
開場前の様子。敷地内にはお客さんはいなくて屋根のある通路にそれと思しき方が数名いるくらいでした。お客さんちゃんといるのだろうかと心配になるくらいでしたが実際は当日券を求める人もいてほぼ満員でした。
別開場ではハリーポッターの劇もやっているみたいで赤坂の駅を降りたさきから周り一帯はハリーポッターの世界に降り立ったかのような演出がありました。
ファンにはたまらないでしょうね!
また別の建物では番組の企画で立体錯覚の展示をやっていました。
テント内は桟敷席と椅子席があって私は椅子を選択したのだけど桟敷席は舞台のほんと真下というか目線がちょうど舞台の地面と同じか少し上くらいになる程度で役者との距離が近くて迫力あるだろうなと思いました。
普段小劇場に行きなれてはいますがテント公演は座席が即席なので客入れに力が入っているというかコストがたくさんかかっているなぁと感じました。空調も効かないだろうから、「公演が始まるとなぜか暑くなるんですよ」と説明してうちわの貸し出しを熱心に勧めていました。結果今日は雨が降っていたということもあってあおぐまでは暑くならなかったのですが、他の日は暑くなるのでしょうかね。
お話は舞台が六十年安保闘争時代を基にしているということでその時代の空気感を感じ取ろうとしましたが演者の熱量がとにかくすごかったですね(いつもながらの中屋敷法仁演出的に)。舞台と客席の広さはスズナリと同じくらいと思いましたけどテント公演ということもあって全体的に声の張りが若干強めな印象でした。そのため台詞が何割か聞き取れないことが続いたのが残念だったかな。若い方はもしかしたらちゃんと聞こえているのかもしれませんが(笑)
終盤の寺山演出はまさにこの方の戯曲といったらこれ! という解放感で、久しぶりにあの感覚を味わいました。以前は新宿のどこかのシアターでもあの演出ができる場所がありましたね。
最後の言葉も頭をガツンと叩かれた感じがして頭が痛くなりました。退屈なんて言っている暇はありゃしない!(笑)
柿食う客の団員は女性3人以外は初でしたが皆化粧をしているので誰がだれだかわかりませんでした。ペギー役の長尾友里花さんは『肉食獣』のときとまったく違う役柄でしたので最初誰だかわからなかったのだけど後で知ってびっくりしました。
原田理央さんと福井夏さんはビジュアル的にも役柄的にも(?)安定してわかりやすかったです。客層は20代から同年代くらいの方まで幅が広かったと思います。主演が仮面ライダーだったからかな?
赤坂芸術祭2025「血は立ったまま眠っている」公式web