ファイユーム／Faiyum (2020)

Friedemann Frieseさんの最新作をハッチさんに遊ばせていただきました。アークライトさんが完全日本語版をただいま製作中ということでピックアップしてブログにしてみます。

５人プレイ　説明４５分　プレイ１３０分

古代エジプトの土地を開拓・発展させて勝利点を競うゲーム。基本は各自共通の初期デッキのカードをプレイすることにより未開の地から３種類のリソース（石・ぶどう・麦）を集め、建築カードのプレイによりリソースを消費して街道・入植地などを建築して勝利点やお金を稼いでいきます。初期デッキに入っているカードは弱い効果しかないので市場に並べられているカードを購入することにより、より強い効果のアクションができるようになります。例えば同じリソースをもらうのなら１つのところを２つだったり、建築カードであれば同じものを作ってももらえる勝利点がより多かったりという感じに。

またゲーム開始時には獲得できないオールマイティリソースのバラが取れるカードや初期デッキには含まれていない上級建築物（？）が建てられるカードなど魅力的なカードがどんどん出てくるのであれも欲しいこれも欲しいと目移りしてしまいます。

手番には
１．カードのプレイ
２．市場にあるカードを購入
３．管理アクションを行う

の３つから１つを選択して行います。「３」の管理アクションは「コンコルディア」の「護民官」カード効果のような動きをします。「護民官」では自分の捨て札のカード全部を回収できますが、このゲームでは少し違ったアレンジが施されていまして、まずそのとき残っている手札の枚数が２/1/0枚であれば１/2/3金もらえ、その後で自分の捨て札の山の上から３枚までを無料で回収でき、追加で１金支払う毎にさらに１枚回収できるという仕組みになっています。

強い効果のカードを真っ先に使ってしまうと、そのカードを回収するのに余計にコストがかかってしまうということになるのですね。この辺りのアレンジは派手さはないものの思わずうなってしまいました。

次にボード上に乗っている入植者を最大２人までストックに戻すことにより１人あたり１金もらえます。最後に市場にあるカード（基本的にはそのときの最安値のもの）を１枚ゲームから除外します。

リソースを獲得する系と建築系のカードは効果の小さいものと大きいものの２種類あり、ユニークな効果のものもいくつかあるのでカードの出てくる順番により毎ゲームの戦略がガラっと変わると思いました。今回はこのカードが強かったけど別のゲームでは全然使えなかったよ～、みたいな。また管理アクションのタイミングにより欲しかったカードが直前でゲームから除外されてりまうことも良く起こるのではないかなと思いました。盤面上が劇的に変化する感じはしませんでしたが、このカードの巡りは強烈なランダム要素ではないかなと思います。

もちろん（？）効果の高いカードはすぐに購入できる訳ではなく、同デザイナー作品の「電力会社」よろしく１枚１枚に番号が振ってあり、その中で低い方から順に値付けされていき、市場に並べられている内の半分は購入できないカードとなっています（笑）

最初はカードに描かれているアイコン、ハッチさんは「ファイユーム語」と仰っていましたが、いわゆる「トロワ語」のような感じで、皆が理解するまでに一定の時間は必要になると思います（笑）　理解してからはトントン拍子に進められ、ゲーム終盤には各自やりたいことがそれぞれ定まって、最短でそのサイクルをいかにグルグル回すかという感じになりました。一人だけカードを圧縮できる効果を使えていてうらやましいと思いましたが、デッキが厚くなればなったでフラグが切られてからのターンがより長くできるなど、ゲームが本当に終わるまで誰が勝つかわからないスリリングな展開が楽しめました。今回フラグを切るタイミングが間違って処理されてしまいましたが、ま、それはささいなこと。税込み8,000円は私的には買うか買わざるべきか微妙なラインですが、ゲーマーを自負する方であればほぼ買いですし、コンコルディアがお好きな方でしたらマストバイでしょう（笑）　勝者はキューさん、お見事でした。

めっちゃ楽しかったので何度も遊びたい！
　

ボードゲーム[日本語訳無し] ファイユム (Faiyum)